中国での出会い

私の高校時代の友人が上海中医葯大学に留学したのを機に、私も中国に行く事にしました。中国は初めてでしたのでとても楽しみでした。

中国で、友人に中国人の徐さん、丘さんを紹介していただき、一緒に食事へいきました。二人はとても日本語が上手でいろいろな事を聞くことが出来ました。私は、日本語を上手に話せる二人の収入が何故か気になり尋ねてみると、1日8時間労働の週休2日、日本円で月3万5000円でした。日本では考えられない額なので私は凄く驚きました。また、食事も一人400円ほどでとても美味しい料理を食べることが出来ました。タクシーも初乗り140円からと物価が全くと言っていいほど日本とは違いました。お金の大切さを身にしみて感じました。



他に、中国では漢方などが流行っているのかを聞いてみると、あまり流行っているわけではないようでした。誰もが漢方を飲んでいるのではなく、日本と同じように一部の方達が飲んでいようです。気功もあまり認知度はなく、信頼性に掛けるようです。



徐さん、丘さんには、買い物にもついて来てもらいました。店員さんとの交渉などとても親切に買い物の仕方を教えてくれました。その中で驚いたことは、商品のチェックです。電化製品などは正常に使えるかを確認し、果物などは一個一個厳重にチェックするそうです。日本では、電化製品の新品は正常に使えて当たり前ですが、中国では全てチェックするのが当たり前のようです。知らなければどんな物を買ってしまっていたかわかりません。

お二人には本当に色々な事を教わり、助けてもらいました。



もう一つのエピソードは、中国といえば桂林というぐらい風景の有名な場所があると聞き、早速、徐さんに飛行機のチケット、ホテルの予約をお願いして桂林に行く事にしました。友人も中国に来てまだ間もなく、私と1日しか滞在日数が変わりません。中国語も日本で1年間勉強していましたが、現地の人が話す言葉までは理解できない状態でした。

徐さん、丘さんは、二人で『大丈夫?』ととても心配していましたが、私は日ごろから『何とかなる!』と考える性質なので『大丈夫!大丈夫!』と返事をしました。



そして出発の日、友人が学校の都合で遅刻してしまい飛行機には乗れませんでした。

友人もまだ空港に着かないし、私も除さんに頼りきっていたので慌てたのですが、まず、航空会社に日本語で話し、文字を書いて交渉を試みましたがやはり全く通じず、カウンター越しで中国ガイドを片手に片っ端から電話をし、日本語が通じる旅行会社を探して代わりに交渉してもらいました。運よく翌日チケットが取れ、晴れて出発できることとなりました。



桂林では、『りこう下り』といって4時間半かけての川下りが有名なので行きました。

またも出発5分前とぎりぎりに着き、何隻も船が止まっているのを見て慌てていたので、ガイドさんらしき人を見つけたのでチケットを見せて『ココ』と指差すと、中国人ガイドさんで日本語が話せる人だったのでなんとか船に乗ることが出来ました。川下りが終わり、そこから町へ1時間かけて戻り、2時間ほど町を探索し空港に行こうとしたのですが、帰り方がわからなくなりました。困っている時に偶然、先ほどのガイドさんと遭いびっくりしました。その方は寧さんというお名前で、ガイドの仕事上、日本語の1級試験を受けるとおっしゃっていました。「だから、日本語が上手なんだと」と思いました。

空港に行く方向が帰り道だと一緒についてきてくれました。「これも凄い縁だな」と感じました。一緒に写真を撮り、メール交換をして友達になりました。(今ではメル友です)



中国では、全く計画性がなかったわりには友達が4人(全員女性ですが)でき、中国の情報が聞けて、最後の最後で奇跡的な出会いがあり、非常にうれしい気分のまま旅が終わったなと感じました。

計画性があればもっといい旅だったかもしれません。でも、本屋で売っている最新の中国ガイドは現地の人からすると内容が古いと言われましたし、誰かが作った情報を信用して、頭で出来上がったイメージ(思い込み)で旅をするのもいいですが、常に探究心を持って、現地の人の話を聞きながらの方が勉強になるし、スリルのある旅が出来たと思いました。そして、人に聞く勇気、行動する勇気がなかったら楽しめなかったなと感じました。



私は、昔テレビで見たスポーツ選手の言葉をとても印象的に覚えています。『背中に砂時計があり、その砂時計はいつになったらなくなるかはわからないから、一日一日悔いの残らないように精一杯練習する!』という言葉です。



私は、この言葉を胸にこれからも何事にも挑戦できたらと思います。