私は、東大阪でグループホーム(高齢者の方が少人数で生活できる施設)とやまびこ会の運営と脳卒中の会の理事をされていらっしゃる吉岡社長とお会いできる機会をいただきました。やまびこ会というのは、脳卒中という病気を経験された方が集まっている会です。脳卒中というのは、脳の血管がつまり、歩行障害、言語障害などが起こる非常に恐ろしい病気です。私は、吉岡社長から1週間後にやまびこ会の遠足があるからとお聞きしたのでどのような会なのか参加してみようと思いました。
やまびこ会では、毎月皆さんで集まり月に一回の遠足もしくは舞州に行って外に出る事を非常に大事にされています。東大阪から舞州ですと1時間ぐらいかかり、とても遠いのですが舞州にある障害者施設はプールなども使えて、無料で使用できるとの事でした。近辺にはそのような大きな施設で無料で使える所がないのです。今回は、河内長野の花の文化園です。
私も仕事柄いろんなご病状の方にお会いする事もあるのですが、このような会に参加するのは今回初めてです。急遽、今回ボランティアとしてお手伝いする事になりましたが、はたして病気の事などに触れてもいいものかなどどのような話をすればいいのかという不安がありました。
全員で30名でした。東大阪で集合し、市が無料で貸してくれるバスで行くことになりました。
バスの中では病気の話がバンバン飛び交っていましたし、とてもみなさん元気でよくおしゃべりされるのに正直驚きました。私は、アンケート用紙のご記入の為、お隣の席の方に病状の事などを聞く機会がありました。そこで初めてお隣の方とお話が出来ました。病気になって何年か経過するとおっしゃっていました。話をしているときの表情は、とても明るくどっちかというと私の方がくらい顔をしていたように思います。病気の事がとても生々しかったからです。私は、とてもタヒボの話をしようかと迷いましたが、ボランティアで参加なので私の話は辞めとこうと思いました。
花の文化園の駐車場に着いたのですが駐車場から花園まで700メートルぐらいと距離が少しありました。車椅子の方が6名ほどいらっしゃいました。私も車椅子を押すのを手伝いました。花園まで行く途中に普通に歩いても急な坂と感じるぐらいの坂があり、道路から歩道になる所に少しの段差がありました。
そこで私が車椅子の前方を少し持ち上げると、倒れそうになりました。このような坂は、誰かが付き添っていないと坂道での少しの段差はとても困難だと思いました。車椅子の方にとってバリアーフリーがいかいに大切であるかという事がこの時ようやくわかったような気がします。
昼食の時、テーブルに4人ずつ座っていますので私が花の文化園まで車椅子を押した中川さんと一緒に食事する事になりました。中川さんは、話しかけると返事はしてくれます。
あと、女性の田中さん、竹下さんとです。竹下さんは、ビールを飲まないのに周りの方が飲むビールの注文数を確認して、注文してくださいました。私にも、『暑いな。お兄ちゃんビールのんでよ』と言ってくれたのです。とてもうれしかったです。私は喜んでグビグビビールを頂きました。
食事中には病気の状態、病気になった事などを教えてくださいました。今まで健康診断などでは全く異常がなかったらしいのです。検査後、少し調子が悪いなと思ったときには朝突然に病気が襲ってきたそうです。それから好きなビールは、飲むのを辞めているとおっしゃっていました。
私はお話を伺っている時に、またタヒボの話を何度もしようと思ったのですが、できませんでした。
食事が終わると、中川さんを女性のヘルパーさんが押して移動しようとする時に、私はそのヘルパーさんの隣に居りました。すると女性のヘルパーさんでなく、私を選んでくれたのです。正直、私は男性より女性の方が喜ぶのではと思ったのですが、何故だか選んでくれた事に嬉しく思いました。
私は、はりきって押しながら花を見て回りました。(単純なもんで、、)
そして、中川さんがトイレの方を指差したので小走りで一緒に入りました。そして数分後、トイレから出ようとすると隣にあった車椅子用の便所を指差したのです。私は『ウワッー』と思いました。何で気付かなかったのだろうと思いました。
それから、ジュースの自動販売機を指差したので、私が自動販売機にお金を入れ中川さんの分を買うと、私の分とジュースを買う前に5分ほど一緒におられた方の分もという事で私は中川さんにごちそうになりました。その時私は、とてもうれしかったし一緒に話されていた方のジュースまで買うやさしさが私ならそこまでの配慮をしないと思い、中川さんの無言の気遣いがとてもかっこよかったです。
私はバスの帰りの中今日の感想とタヒボの話を皆さんの前で話をさせていただきました。
いつもならお話をさせてもらった後、タヒボ茶の情報を伝えれたという満足感があるのですが、今回は情報をお伝えしたというより、ボランティアという事を言ってみなさんに接していたのに、結局売り込みなのかと思われているような気がしてなんだかすっきりしませんでした。
それは、最初からこの仕事をしていると言わずに健康関連の仕事をしているとしか言わなかったからです。この仕事をしていると言うと警戒され、気持ちを閉ざすのではないかと思ったからです。だが、今覚えば最初からタヒボ茶の仕事をしているといった方が自分の中では楽で、偽善者と思わずにすんだのかも知れません。そんな事を考えながら、皆さんとお別れのときがきました。送迎者に乗って帰られる時に一緒に昼食をした竹下さんは、『機会があったらまた来てね』と言って下さいました。
その言葉に少し救われたような気持ちになりました。
私は、数日後社長のところにお会いしに行きました。
私が感じた事、自分が偽善者なのではと思った事などを話しましたら、社長は、『みなさんいつ死ぬかわからん恐怖があるから、今を必死に生きている。だから朝目がさめたら起きれた事、生きている事に感謝するし、今日も生きれるという事で必死に後悔せんように過ごされている』とおっしゃっていました。あと、『そうやって偽善者とか思わんでいい。みんなほんまにええもん探してるんやし、どのような会なのかということで勉強しにきたんやから』とおっしゃってくれました。私は、社長の言葉にとても励まされました。
私はやまびこ会に参加して、お互いが励ましあったり、病院のどこの先生がいいとかの情報交換をしたり、また会おうねという言葉を交わし笑顔で別れる様子を見て、仲間の大切さをとても感じました。私はあまりみなさんとしゃべれなかったですが、みなさんの笑顔ややさしさにたくさんの元気を頂き、もっと精一杯生きていこうと思いました。
脳卒中で最近外に出ていないとか、同じ症状の方と情報交換したい、笑いたい(皆さん面白いし、スタッフが面白く親切)という方がいらっしゃいましたらお気軽にお電話下さい。
全国にもまだこのような団体は少ないですが、何かお役に立てれる情報をご提供できると思います。