ファイティング・スピリット

   今回は、「幸せはガンがくれた」
川竹 文夫さんの書籍を読んでとっても良かった部分を抜粋して
 ご紹介したいと思います。

「幸せはガンがくれた・心が治した12人の記録」はこちら

 ギャレット少年は、手術不能の脳腫瘍で9歳。
 「毎日毎日、腫瘍のことばかり気にしえいるのが嫌でした。イメージ
 がどうとか、腫瘍がどうしたとか・・両親はいつも僕にイメージをし
 なさいって言うんだけど、僕は自分の人生がもっと普通で、平凡で当た
 り前で。

 腫瘍、腫瘍とばかり言って人生を送りたくなかった。しかし一方では、
 このまま自分は死ぬかもしれないという可能性を否定するわけにはい
 きませんでした。気がつくと自分の魂が身体から離れていて、居間の
 中を浮かんでいる体験もするようになって恐くてたまりませんでした。」

 イメージ療法を行っていたのですが、いっそう脳腫瘍がおおきくさえ
 なっていたのです。発病当初の診断は、余命2年。しかしこのときの
 診断は、あと6ヶ月。

 この状態から死の可能性を認識して良くなり始めたのです。

 「あくまでも、自分の身体に起こっている事をはっきりと自覚して、
  意識的に腫瘍を破壊する事なんです。」

 ギャレットさんは言う。
 「とにかくその頃の僕は、怒りを持っていました。なんで僕がガンにな
 らなきゃいけないんだって。ガンなんか絶対、完全に破壊してやる、
 完全になくしてやる、と思っていました。もし僕の命を奪おうとしてる
 んだったら、そんなの絶対に許さない。お前は一体何なのだ!何のつも
 りだ!破壊してやるぞ!」

  このように思うことからイメージ療法を繰り返して1年後、完全に腫瘍
 がなくなっていたのです。

 世界的権威を持つイギリスの科学雑誌「ランセット」(1985年)に発表
 された、ロンドン王立大学病院の二人の精神科医の論文の中に、早期
 がんの患者57人を4つのグループに分け、それぞれのがん手術後10年の
 生存率を追跡したものがあります。

 
 グループ分けの基準は、一つ。がん告知に対して、患者本人が、その後
 どのような心理的反応を取り続けたかということである。

 まず、最も生存率が低いグループは、ガンになったという事実に対し
 て、無力感に陥り、絶望してしまった人たち。その生存率は20%で
 あった。

 その次に生存率が低いグループは、自分がガンになったという事実を
 仕方なく受け入れてはいるが、なんら積極的な態度をとらない人たちで
 ある。

 次に、自分のガンを否定し続けたグループ。この人達は、どのような
 説明を受けようと、また事実がどうであれ、あくまでも自分ではガンで
 はないと思い込んでいるグループ。

  次に第一位、生存率70%のグループは、告知にもめげず、ガンと
 徹底的に闘うというファイティング・スピリットを持ち続けた人であ
 る。絶望するのか、あくまでも闘争心を燃やすのか、ただそうした
 心の持ちようだけで、生存率に3倍もの開きが出るとう内容でした。

 このデーター、話からもファイティング・スピリットの大切さを感じ
 ていただけたらと思います。