地ビール世界一の社長の話を聞いて

3月に地ビールで世界一になった会社 二軒茶屋餅角屋本店の鈴木さんの話
を聞く機会がありました。鈴木さんは、大学から空手を始めて主将になり、全
国大会準優勝の実績をもっておられる方です。私は大学から空手を始めたのに
すごいと思いました。鈴木さんが言うには、『本当に私は空手が好きで空手バ
カだった!毎日全体の練習が終わってからも練習をしました。練習は人一倍し
ていたね』とおっしゃっていました。当時は練習のしすぎで体に過度な負担が
かかり、血尿がでるほどだったそうです。

そんな鈴木さんは、『5年で世界一の地ビールを作る』という目標を設定されま
した。鈴木さんいわく、「夢に期限をつける事で、夢が目標になる!期限の無
い夢はただの妄想だ!」とおっしゃっていました。

鈴木さんは、自分の作った地ビールを世界一にするためにまず、世界各国のビ
ールの味を知らなければならないと、難関といわれるビールの審査員試験にチ
ャレンジをされました。鈴木さんは1年間、空手が終わってから毎日研究室に
閉じこもって大好きな微生物の研究にエネルギーを集中させており、研究室で
寝起きをする事もあったそうです。ビールの審査員試験の内容が、鈴木さんが
研究をされていた内容と関係が深く、見事学科試験を最高得点でクリアされた
そうです。

この難関と言われる試験に見事合格し、ビールの審査員になられました。そこ
で世界のビールの味、業界のあり方を実感したかったそうです。

そしてアメリカで世界大会が開催された時には、日本人は審査員に二人選ばれ、
その内の一人が鈴木さんでした。アメリカの大会では、当時英語にはあまり自
信がなく、大会前の打ち合わせで全くといっていいほど理解できなかったよう
ですが、『私はビールの味を審査しに来たのだから英語が話せない事はそんな
に気にならなかった』と言われました。大会では世界の味を感じ、また、終了
後同室の方との会話も貴重な体験だとおっしゃっていました。同室の方はとて
もビール作りにこだわっている他国の審査官でしたので、鈴木さんが長年疑問
に思っていた事を質問してみると、一瞬にして答えが返ってきたそうです。

このような経験から鈴木さんは、『国税局から競争相手、異業種までも味方に
した方がいい』とおっしゃいます。それは、たくさんの本を読むより、専門家
に聞くことで一瞬のうちに答えを得られる事が非常に多いからだそうです。

会社のスタッフには、『世界一の地ビールを作る。』と言い続け、そしてつい
に6年後、オーストラリアで行われた世界大会で金賞を取り、世界一の称号を
獲得したのです。

私は、鈴木さんの講演でとても心に残る事がありました。
一つ目は、目標を立て、その目標を実現した状態から今の自分を見て計画を立
     てる。
二つ目は、『気合』があれば何でも乗り越えられる。
三つ目は、自分のしている事が、寝ても覚めても好きでいれるか
四つ目は、何事にも素直な態度で接している姿(謙虚)です。

当たり前の事ですが、私はとても心に残りました。
世界一を獲得する方も基本的な事を非常に大事にするのだなーと思いました。

講演が終わってからラッキーな事に夜中まで鈴木さんを囲み、8人でお話を聞
ける事になりました。実は、講演会後鈴木さんを囲み懇親会があったのですが、
鈴木さんは女性陣に囲まれていてほとんど質問が出来なかったので、懇親会が
終わり私は帰ろうとしていました。するとこの講演会のきっかけを作ってくれ
たタヒボ茶の代理店をしている昭和法規の川田君に『何人かで集まって飲みな
おすみたいやで』と言われ、私はまたみんなで会えるし、時間も遅かったので
『鈴木さんが行くなら行くわ』と言って別れて駐車場に向かいました。

すると電話が鳴り、鈴木さんも一緒だからと言うので行く事にしました。私は
走ってみんなの元へ向かいました。すると、真珠のデザインの仕事をしている
谷さん(兄貴みたいに何でも話せる人です)に『鈴木さんが来るっていうから
って・・・』と言われましたが。

 確かにちょっと後ろめたかったのですが・・・。講演会で質問できなかった
事が隣で質問できたので本当にうれしかったです。
何があるか本当にわからない。だから幸せもどこからやってくるかわからない。
その幸せをどんどん感じるためには、積極的思考が本当に大事だと鈴木さんと
お話しをしていて感じました。そしてこのような機会を与えて下さった方々に
感謝すると共に、感謝の気持ちを持つことがとても大事なのだと感じました。

P.S.
昭和法規の川田君に『鈴木さんが行くなら行くわ』と言えたのは、彼とは本当
に仲がよい友人であったことと、自分が素直に思っていたことを口に出来た積
極的言動だからだと思っています。何気ない一言で本当にこの日は学ぶことが
たくさんありました。