ホリスティック医学会長 帯津良一先生への取材

帯津先生に取材のため、埼玉県にある帯津三敬病院に行ってき
ました。帯津先生には、がんの方に対して知ってほしい事という
テーマでお聞きし、その中でホリスティック医学についてのお話を
お伺いする事が出来ました。

ホリスティック医学の定義として、

1.ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
人間を「身体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社
会・自然・宇宙との調和に基づく包括的、全体的な健康観に立
脚する。

2.自然治癒力を癒しの原点におく
生命が本来自らのものとして持っている「自然治癒力」を癒し
の原点におき、この自然治癒力を高め、増強することを治療の
基本とする。

3.患者が自ら癒し、治療者は援助する
病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。
治療よりも養生が、他者療法よりも自己療法が基本であり、ラ
イフスタイルを改善して、患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療
の基本となる。

4.様々な治療法を総合的に組み合わせる
西洋医学の利点を生かしながら、日本を始め、中国、インドな
ど、各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、食事療
法、運動療法、民間療法
などの種々の療法を総合的、体系的に
組み合わせて、最も適切な治療を行う。

5.病への気づきから自己実現へ
病気を自分への「警告」と捉え、人生のプロセスの中で、病気
を絶えず「気づき」の契機として、より高い自己成長・自己実
現をめざしていく。

(帯津三敬病院のホームページより抜粋)

ホリスティック医学の考えの中で、患者さんへ心の部分でアド
バイスをする時に『明るく前向きに』という事を伝えてきたが、
それだけでは思うような結果が出なかったと言われていました。
人の感情の中には、悲しみ、寂しさなどの感情もあり、その気
持ちを無視して、無理に『明るく前向きに』を行ったとしても、
人間本来が持つ、心のバランスを保つ事には繋がらないという
事に気付いたそうです。

その結果、現在では、心に『ときめき』をテーマに希望を持っ
てもらえるように、患者さんとのコミュニケーションをとって
いるということでした。

他にも、『医師と患者の場のエネルギー』『幕内式食事療法の
粗食から、心のときめきを取り入れた考え方』『治療の進め方』
などの話をお伺いする事が出来ました。
取材時間は1時間でしたが、とっても充実した内容で、あっとい
う間に過ぎてしまいました。

帯津先生の印象は、とっても穏やかで、話しやすく、がん治療
に関しては、あらゆる手段を使って、患者さんの事を考え、取
り組んでいらっしゃるのだと思いました。

それは、がんに対して、抗がん剤、放射線、手術、ホメオパシ
ー、気功、サプリメント、食事療法、心構えと、どれもが、が
んに打ち勝つ第一歩
であると考え、患者さんの状態を確認し、
相談しながら、それらの治療法を選択されておられるからです。

また、これらの療法は、長年の経験から、有効であるものを取
捨選択してこられた結果なのだと感じました。
1つの治療法だけに拘り、絶対にこれしかないというような、
強制的なものでは無く、良い物は取り入れていこうという柔軟
な姿勢
の現れかと思います。

そして、治療は、あくまでも患者さんが主体で、患者さんが望
まなければ無理に行わず、患者さんが治療として取り入れたい
と希望される事を中心に行い、患者さんとの二人三脚で、がん
に打ち勝つ戦略を立てながら進めていく
というお話でした。
帯津先生であったら本当に相談しやすい事だろうとその時に思
いました。

帯津先生への取材内容は、テープ起こしが完了しましたら、
「がんを克服してきた人達の物語」のホームページに掲載していく
予定です。
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