フィリピンのバルナバクリニックを見学ー栄養学の概念が変わり人を診ることにより体がみえてくる

2013年3月のことですが、フィリピンのバルナバクリニックにバイオノーマライザー製造元の三旺インターナショナル前田社長及びスタッフの方々と一緒に同行させて頂けました。

バルナバクリニックの冨田さんは、クリニックをする前には日本で4年ほど助産師をしていた経験で、モルジブで勤務することになりました。自然食よりも現代医療や栄養学を実践してきて、人の役に立ちたいと思い行ってみると、病気もない・お産の助けもいらなかったそうです。
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お産は正常な出産であれば自宅で行い、お産する際には汚ない場所であれば子供が亡くなると思っていましたが、亡くなっていませんでした。それとモルジブの食事がものすごく質素。やせた土地で、さんご礁で出来ているアルカリ土壌。やせた土地で野菜・果物が育たないので、家畜も養えない。それに現地の方は排泄物は海で行い、排泄物に小魚・エビ・カニがよってくるので、周辺にいる魚介類は受け入れられなかったそうです。

それではどんな物を食べていたかというとスリランカ・インドから輸入した穀類・香辛料と遠洋漁業でたまにしかとれないカツオをカツオ節にして摂取していたそうです。現代栄養学から考えると、病気がたくさんあると思っていましたが、病気がなかったのです。

それとフィリピンで3年ほど行った時も、狩猟採取して、山の芋を主食にし、昆虫・魚・貝・イノシシなどを食べていた少数民族にも、がん・生活習慣病・アトピー・喘息など何もなかったのです。

モルジブでは添加物がない、豊かでない粗食で冨田さんのアトピーが治ったのですが、現地の食事で栄養失調になったそうです。だが、現地の人達は栄養失調ではなかったのです。

それとモルジブでは診療は国がやっているので無料で、薬は処方箋をわたされるだけで、薬を買ってきたらスタートしますよという感じだったそうです。お金のない人はきりすてられると思ったそうです。現代医療が人を救うと思っていたが、救わない。救っているのは金持ちだけやんと思うようになったそうです。

モルジブの2年間の経験で、本当に必要なものっていうのであれば、貧富の差が関係なく、救える手段があるはずではと思ったそうです。その中でコストのかかるものはなしで、誰もが少し頑張れば手に入るものぐらいで続けていける治療法が良いと思ったそうです。

フィリピンに来てからは、不妊治療の相談を受け体を温める事が良いなどアドバイス。不妊治療には当帰(とうき)という人参の漢方薬が良かったそうです。まず悩まれる方にお伝えすることは、食事をかえること。それは、食べるもので血液がつくられ、食べるもので血液の成分が変わるからです。

まずは食べ物から変えてもらう。食べ物を変えることはその人の努力で出来る。なんでも誰か任せでなんとかしてもらうという受身だったら、自分の体を知ろうともしない。その人も変わらなければ治らない。なんで自分が病気になったのかは、すべてに理由がある。それに気付かないといけなかったりするのでは?と思っていたそうです。

診察でもずっと言っている事で食生活を変えなければ、薬を買っても治らない!たとえある程度薬で効果がでても頭打ちになり、もっとよく効く薬はないのかになる。それを言っている時点で間違っている。薬を卒業してほしい。お金さえ払えばなんとかなるという認識では病気は治らない。

精神的なストレスなどは変えることは難しいが、食べるものから変えるのは簡単なのでまずはより自然に近いものから食べる事を勧める。

それで2年ほど不妊で悩まれていた方が半年で妊娠し、死産という結果になった。それがとても悔しかった。産婆さんは、自分が押したりして上手に赤ちゃんが生まれたことでお金を頂く。病院も同じで、正常にお産を見守ってする場所がここにはないと思った。どのようなお産が良いのか知っていて、まわりで初産で赤ちゃんが死んでいくのが嫌だったので、できることであればやってあげたい。産婦が自分のところにきてくれるのであれば、たたいて起こそうとしている人間をとめることもできる。

助産師は特別何かをするわけではない。出産の際には痛みを緩和することはない。出産時には異常にならないようにそばにいること。生まれてくる力を信じること。来てくれる人がいるのであれば守ることができるだろうという思いではじめたのがクリニックでした。

お産のあり方も日本ではこうだ!という思い込みがあると思っている。お産はその方の一番のプライベートな部分で外部の方がはいるのはあってはならないと思っていた。そしたら産婦さんも立会いでカメラが回ることを誰もがNOと言わなかった。しかも取材を行う女優さんには笑顔でむかえたりしていた。

助産師の方達が最初は来て、産婦の方が自分で生める力があるのに、助産師の方が何かしてあげたいという気持ちが強くて、あれもこれもしたがる。助産師がつけば産婦の顔色がかわるようになり、いくら言っても助産師はその方のためだと言う思い込みで、産婦の顔色までみずにやってしまう。

そのような方が来るときにはお産がこないので、テレビの取材が来たときには、おさんはこないとおもっていたが、10人ぐらいお産がきていた。呼吸法はフーとするか気張るかで、本人に任せてる。クリニックでは促進剤を使うとかはしない。
赤ちゃんはウギャーウギャーとわめかない。知っている場所であり安心できるので泣かないのでは思う。生まれたらその日のうちに自宅に帰る。

お産以外でバルナバクリニックで冨田さんが診察をしていた方からお話を伺うと、乳腺種があり内側の乳房がカチカチで触ったりするだけでも痛い状態。反対側も同じようなしこりがあり、がんの検査はしていないのに、医者にがんの可能性があるので手術で乳房をとらないといけないといわれ、1時間半かけて冨田さんの所に救いの手を求め、通院するようになったと教えて頂きました。

冨田さんは「本当に行き場なくてラストでここに来られる人たちで1回の交通費を一生懸命ためてこられる人たちだから中途半端にみれないですしちょっとでも結果を出していかないと申し訳ない。」という思いがあるのですぐにでも結果を出すために、漢方薬を使ったり、アロマを使ったり、マッサージなどをして色々と試されているそうです。結果がでればなんでもオッケーなのです。

そのがんの可能性があった女性には、バイオノーマライザーを寝る前に6グラム(2包)を1ヶ月飲んでもらうと、しこりがやわらかくなり、痛みがやわらいだそうです。食欲も出てきて寝れるようにもなったそうです。

医者が出した痛み止めを飲んでも痛さは変わらなかったのが、バイオノーマライザーを1週間飲むと痛みに変化が出てきたそうです。1ヶ月で完全に痛みがなくなり、しこりもすごい勢いで小さくなったそうです。最初は2週間に1回の通院が、今では1ヶ月に1回だそうです。

その方はインスタントのスープ・インスタントラーメン・スナック菓子など安くておいしいので日常的に食べていたそうです。冨田さんが食事についても指導すると、徐々に意識して少しづつ減らし、今ではほとんど食べていないそうです。

今ではお米・お魚・野菜類を食べていて、肉は一切食べないそうです。お菓子の時間には前には食べたいだけ食べていたが、今ではビスケットを一つだけにしているそうです。料理もなるべく油を使わずに蒸して、オキアミの発酵(塩辛い)したものを混ぜた料理などを食べているそうです。他にも伝統的な料理法としてオイルを使わずに単純にゆがくだけの料理が多くなったそうです。

どのような食事が良いのかもクリニックの入り口には絵でも紹介しているのです。
冨田さんは玄米菜食を勉強し、マクロビオティックを実践すると、砂糖は敵となるのでバイオノーマライザーを持ってきて頂いたときにグルコースが入っていたので、そんな物は良くないと思われたそうです。

だがバルナバクリニックにはお産でくる方だけでなく、がんの方も相談にこられたりするので、患者さんに良い反応がでたバイオノーマライザーを試してもらったりするそうです。前田社長は、冨田さんが貧しい方には無料で診察したりしているという事を聞き、バイオノーマライザーを無償で提供しているのです。

冨田さんには3人のお子さんがいます。一人目・二人目の時にはアトピー対策をしたそうです。そこでアトピーがでなかったので、そんなにストイックに妊娠中の食事をコントロールしなくても3人目ももしかしたら大丈夫かもしれないと思い、すごく食事をゆるめたそうです。添加物がどれだけ悪い影響があるのかも知りたかったのである物を食べたそうです。

そしたら3人目にアトピーがでて、何でアトピーが出るかは調べてはいないが、いまだにチーズ系がはいるとアトピーがでて、ものすごい頻度で背中がかゆくなるそうです。そこで家族でもバイオノーマライザーを試してみると、かゆいかゆいといって、皮膚の表層が大小の角質片となってはげ落ちてよくなるそうです。

子供が面白いのが自分がその日必要じゃないと思ったらバイオを食べないそうです。こちらとしてみたら悪いものが体の中にはいっているし、毎日食べてもらう方が体にとって良いに違いないという妄信みたいなのがあるから、子供のほうがかえって体の状況をよく知っていると思うそうです。

冨田さんは「行っている治療は凡人のレベルで、才能がなくてもここまでできる!」とおっしゃいます。日本で働いていたときに先輩にマッサージしてくれと呼ばれるが、うまい子は次も呼ばれるが、呼ばれる事はなかったので自分自身で手がにぶいと。

自分で体のこのツボだろうなと思っているところが当たってもいなかった。ツボも絵にかいているのと患者さんのつぼは違う。点じゃなく、深度もあるし、場所もぜんぜん違うし、わかる人はほんと一流やと思ったそうです。鍼灸はすばらしいと思うが自分にはできないと思われ、誰がやっても結果がでるおおざっぱなものがいいなと思ったそうです。

そこでそのつぼが正しいかどうかの治療点をみつけるのにオーリングをするようになったそうです。治療点のスタートがあり、気は入って出て行くところがあり、その12の経路のうちどこを治療してやればよいのかをみわける。1回押せば陽、2回押せば陰、患者さんは常に指でオーリングの形を作り、冨田さんがおへそをおす。押せれたら余韻が残っているので、弱ければ開くし、強ければ力がはいる。日々弱いところがかわるので、弱いところから棒灸で治療を行うそうです。

「患者さんへの治療があたっているのかはずれているのかわからないが、患者さんに育ててもらっているのでありがたい。医療に関しては言葉はいらない。患者さんが教科書。数値以外にも体にあらわれてくるので体をさわる。さわって患者の今の状況がわかる。触れていくと経験でわかってくる。」気の存在や何もわからなかったのがだんんだんとわかってきたそうです。

クリニック以外にも「希望の家」Wish Houseを設立。無料で子供の勉強の支援を行ったり、虐待を受けている子のお世話などもしていました。クリニックなどは日本での講演会などでの寄付で運営がなりたっているのです。

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中古の子供服やタオルなどの物資などもとても助かるそうです。スタッフに声をかけて持っていけるだけ持っていきましたらとても喜んで頂けました。

左 坂井 右 冨田さん
左 坂井 右 冨田さん

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暑いのに長袖ですがすぐに子供に試着してもらいました。

朝の診察の後は、午後からは往診です。往診は冨田さんが経過が気になる患者さんや生まれてまもない子供たちの様子を診たい一心でお金をもらう事もなく行っているのです。同行させていただきましたが、移動距離はとても長くいろんな場所からクリニックに救いをもとめてきている事を感じることができました。

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往診した先の家の外観、家の外はゴミだらけ

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家の中の様子ですが、この竹が床で竹が折れたら外観でもわかるように3メートルぐらい下に落ちます。それと鍋も形が変わっていても使っている状況です。

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ごみの中からお金になりそうな金属などを拾っています。地面はとても熱く燃えている場所や煙などがもくもくと広がり、臭いも生活するには選びたくないような場所ですがこの付近に住み、子供であってもお年寄りの方でも働ける方は1日中ごみを集め、少しでも生きていくために働いているのです。

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ゴミ山の付近に住む方の往診で呪いによって腕がひどい状況になったという方です。何日も経過するそうですが、これでもよくなりつつあるそうです。このような方にでも伺っているのです。

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今できる限りのことを往診でもカバンの中から探し出して接しているのです。ご家族の方にはバイオノーマライザーを小袋に入れたのを配っています。

冨田さんは年に一度、日本で何か所かで講演を行っています。他にもお伝えしたいことが多々ありますが、講演会などで冨田さんの奮闘記を直接聞いていただいた方がとても感じることが多いと思いますので是非ともお勧めです。

 

バルナバ・クリニック 冨田江里子さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/barnabaseriko

冨田さんの活動をまとめた奮闘記
フィリピンの小さな産院から