東京出張4日目に就労継続支援B型事業所で半分近くの人を、一般企業で働けるように支援を行っている胡蝶蘭の栽培から販売まで行っているNPO法人AlonAlon(アロンアロン)に見学に行ってきました。
200坪のビニールハウスの中で胡蝶蘭の苗は、提携企業から仕入れ、苗から育て半年後に花が咲き、そのうちの9割ほどが贈答用で送れるレベルの商品となり、月間800本ほど出荷しているそうなんです。
苗は4000本以上ほどハウスにあり、朝に役割を決めて、それぞれの仕事を行うのです。難しい作業の一つに茎の形状に合わせて、支柱をそわす作業があります。慣れた手つきで、きれいに茎の形状に合わせて、支柱をカットしたり曲げたりします。職人のようにどんどん手際よく仕事をされます。
工賃もその方の出来る工程が増えれば変わるような仕組みでもありますし、一般企業で働けるように、10時から15時30分まででなく、時間の延長やなるべく自分の力で通えるようにも取り組んでもらうのです。
そして、一般企業で胡蝶蘭を贈答用で送る企業で、障害者雇用率制度で胡蝶蘭を育てれるスタッフを雇う事の提案や見学に来てもらって、就職のマッチングを行っているのです。
しかも、採用が決まっても慣れた環境の中で同じビニールハウスで仕事ができ、定着支援事業も行っているので本来ならジョブコーチが1カ月に1回の企業訪問に行き、働いている様子を確認するのですが、毎日の作業が見えるので、就職後もちょっとした変化などもサポートできる仕組みになっているのです。
アロンアロンを通じて一般企業も重度・中度の知的障害の方もお互いが喜ぶ仕組みで、50%の方が一般企業で働けるようになり、賃金向上に取り組んでいるのです。
ビニールハウスも、AIで温度管理なども行ったり、水は雨水を貯めれるように地下にタンクを作り、酸性水をろ過したりする事も行っているそうです。さらに地熱なども使えないのかと調査まで行っていると理事長の那部(なべ)さんが教えてくだいました。
私は那部さんの事は全く知らなかったので色々と質問をさせてもらいました。そしたらなんでも教えてくださり、過去の事業の事から今後の展開までお聞きでき、本気で障がい者の賃金向上と障がい者の職場として自慢できる環境作り(仕組み)の考えを聞けて感動しました。
社会問題に真剣に取り組むとはこういう事かと勉強になりました。アロンアロンの大きな味方になっているバタフライサポーターという制度があります。1万円の寄付で、苗を10個仕入れ、それを入所者の方が育て、返礼品として胡蝶蘭を送るという制度です。
1万円で買った胡蝶蘭によって、働く方の賃金向上に役に立つという仕組みになるのです。本当に事業モデルがすごいですし、一人で自立して生活できる支援としてもグループホームも3パターン用意して、無料、数千円、数万円の家賃と分けて、運営するそうです。
どのような状況の方にでも対応したり、グループホームでなくシェアハウスが向いている方には、そこを紹介したりしてその方に応じて向き合っているのです。3種類の家賃設定により、今までになかなか一歩踏み出せなかった方の後押しにもなりますし、アロンアロンで働くきっかけ作りにもなっているのです。
左:アロンアロン理事長 那部さん 中央:坂井 右:アロンアロン 顧問 高橋さん
聞けば聞くほどすごい!こんな会社があるのかと感動して深く考えさせられました。胡蝶蘭を贈呈する方は、関わるみんなが幸せになるような取り組み「アロンアロンのバタフライサポーター」という方法もあるので是非とも知って頂きたいと思いました。
ビジネスの力で社会問題に向き合ったり、喜びの輪が広がるのはすごい!このようなすばらしい企業を目指したいと思います。
アロンアロンのバタフライサポーターについて詳しくはこちら→ https://www.alon-alon.org/owner