褥瘡の方は1人もいない取り組み

老人ホームについて園長と施設長にお話を聞ける機会を頂きました。

介護度は3・4の方が多く、中には介護度5から2に下がった事例もあり、その際には養護老人ホームに移るそうです。

園長は「食事は文化」という考えがあります。そのため厨房があり、数百食の調理を行っているのです。料理長は朝5時から市場に新鮮な魚を見に行ったりして自分の目利きで選ばれ、野菜などは地域の野菜を買っているのです。

値段が高くても地域での地産地消という考えで安い所に変える事はしないとの事でした。醤油一本であっても取り寄せるとの事でした。

コロナ以前には魚の解体ショー・竹を使った流しそうめん・誕生日会なども行っていたそうなのです。しかも、1日の食費の中でそれをうまくやりくりしていたそうなのです。

料理も入居者さんの体調に合わせて、食欲がない方は少なくしたりペーストにした方が良い方にはそのようにしたり、その方にあった料理を提供するのです。

普段ペースト状の食事しか食べない方もおはぎを詰める事なく食べる事もあるそうなのです。だからと言って、こちらから何かがんばってみようなどは言わないそうです。

四季を通じて色んな食事を提供するので、鯖寿司の時もあったりするそうです。食事だけでも四季を通じて楽しめますし、ごはんの入れ方、盛り付けも必ずきれいに入れる事から食事という考えで行い、決しておかゆの中に薬を入れるような事はしないそうです。

ご家族も一緒に食事を食べる機会もあるそうです。

それと入所するとおむつはやめてパンツにパットを入れるそうです。部屋にトイレはなく、必ずトイレに行って人が待っていてもトイレでするそうです。しかも部屋にポータブルトイレはないそうです。その人の尊厳を大事にするとの事です。

褥瘡(じょくそう)の方は1人もいないのです。マット交換も1日5回~6回変えているのです。それにワセリンを塗らないのです。入浴には40分かかる事もあり、その際には看護師もご利用者の方の様子を知るという事で一緒に入浴介助を手伝う事もあるのです。

入浴後は、肌にゆずローションをぬってあげて肌の手入れをしているのです。それは肌がかさついてかいたりして寝れなかったりするとその方にとってストレスとなりよくないという理由もあるので入浴後には肌のケアをする事にしているのです。



このゆずローションは天然保湿成分ペクチンが肌を乾燥から守り、お風呂上がりに慌てて保湿しなくても、保湿ローションを塗ったようなしっとり感で、痒みを緩和するそうなのです。肌荒れやかゆみに悩む肌を、なめらかに整え、ゆずの果実から抽出される芳香蒸留水が肌にうるおいを与え、キメの整った透明感のある肌へと導くそうなのです。

しかもゆず以外にも精油(ユーカリ、ペパーミント、ティートリー)」も殺菌作用があり、肌のトラブルを整えますし、「トール(松)」も刺激を与えず皮膚のバリヤー機能を維持するのです。このトールは松を使ってパルプ(紙)を作る際の副産物でもあり自然のものです。

他にも精油(シターウッド、シトロネラ ゼラニウム)が皮膚の引き締め作用がありコンディションを整えるのです。虫が嫌う成分(シトロネラ、ゼラニウム)も含まれているのです。すごい考え抜かれたローションを使っているのです。

寝付きの悪い人にはさらに精油をつけたりもしたり、青たんができた方にはジンジャーの精油をつけたリするとあおたんがひいていくそうなんです

それと介護士・看護師はリンパマッサージの勉強をしているので、入居者さんに毎日一人15分行うのです。しかも 嚥下障害(えんげ)がある方には、食事の前にマッサージをするなどをしたり、高齢者の浮腫に対しては、包帯を巻いたりして利尿を促すなどして手当を行うのです。

全職員がその人に寄り添っていく体制ができているのです。認知症が良くなったり、褥瘡の方が一人もいなかったり、介護度がよくなるのは理解できます。まだまだいっぱいすごい事を実践しています。本当にすごい施設でした。コロナで見学は出来ませんでしたが、本当にすばらしい機会を頂きました。