5年連続金賞受賞のお米の育て方

とっても体に良いお米があるということで有機栽培の神様といわれる石井稔さんの事をお聞きしました。石井稔さんのお米は、全国名稲会「ダイアモンド褒章」も受賞。1キロ1500円はするお米でそれは高いと思いましたが、2010年に放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見て、食べたくなりました。

石井稔さんは朝はラジオ体操から始まります。まずびっくりした事は、通常は4月に種まきをしますが、1ヶ月遅らせて種まきをします。米の味を決定付ける登塾(とうじゅく)の時期もずれこみます。その為、秋の冷え込みにさらされる事ででんぷんがじっくりと蓄積され、のり状のでんぷんがびっしりとひろがる網目状構造となりこれが粘り気のある極上の味へと変わるのです。

寒さにさらされても弱ることのない強靭な稲を育てるためには、田植えを1週間後に控えた苗を草刈りきで刈るのです。せっかく成長した苗を本来ならかることなどありえませんが、苗を子供のように厳しくしつければたくましく育つという考えで行うのです。愛があれば厳しく育てる。3日~4日ぐらい経つと同じような大きさになるのです。そうして5月末に田植えを行うのです。

稲は気温の変化に敏感に反応するので、熱いときには田んぼに水をたっぷり流しこみあふれさす。かけ流すようにして田んぼを冷やすのです。寒い時には水をせき止めて水深を深くする。湛水(たんすい)を行い、稲を保温する。さらに稲の状態に応じて水の量を調節するのです。

あと稲がどのような状態なのかを様々な方法で見分けるのです。稲を手のひらを葉の先端にあて、健康な状態のものは針のようにとがっている。さらに葉の色やねじれ方なども見るのです。

肥料は、鶏糞の周りに微生物を付着させたものをまく。微生物を20年前から独学で勉強。石井さんの稲は一般の田んぼと比べて茶色くにごるようになるのです。それは、微生物が有機物を分解して養分を多くだすからそうです。黄金色のどじょうも住み着いているのです。

石井さんは「おれはやるぞ!」という気持ちがあれば誰でもできると、そのかわり労働力は必要になってきます。除草剤を使わないので、土ごと雑草をかりだすために、20キロの特製の機械を1日5キロほど歩くなど、除草剤をまくのとでは労働力がまるっきりかわってきます。

石井さんは稲に「台風が来るから、気をつけてくださいよ。台風が来るぞ」と話しかけたりします。台風がきても全部手をつくしたので、後は稲を信じるしかない。

石井さんは、はじめから有機農法をしていたのではなかったのです。きっかけとしましては農薬をまくたびに体調が悪くなったからです。

有機農法をすると除草剤もしないので雑草はどんどん生えてくるし、手間はかかるのですが、農薬を使った米と比べるとおいしかったのです。その当時は有機という言葉があまり浸透しなかったのですが、直接販売することにしたのです。

1年目には4トンのお米が残ったので、すりつぶして畑にまいたそうです。借金も1000万に。ただおいしいだけのお米だとダメだと。とてつもなくおいしいお米でないといけないと思ったそうです。その時、ホウレンの寒さに耐えた甘いほうれん草をみて、お米も同じようにできないかと思い、様々な工夫をし、味が変わってきたそうです。それでも売れなかったそうです。

有機栽培に転換して6年目に大冷害がきました。8月末になっても稲の穂が実らず、お米をチェックする検査員が全滅ですねと、そんな事を言われても稲を見捨てることはしなかったのです。

9月の晴れ間が出たときに、田んぼを見に行くと、稲がいっせいに穂を出しました。今だせば稲自体が大丈夫だと思ったのではないかと思ったそうです。石井さんのお米は大豊作となり、食べた人の評判で広がったのです。

作物がどういうことをしてほしいのか?という声を聞く。それが石井さんのプロとしての心構えだそうです。まだ食べてはいませんが、石井さんの育て方を知って、こんなこだわりのあるお米の販売に少しでもご協力できたらと思いましたので、取り扱う予定ではいます。

ここまでこだわっている農家さんの話を聞くのははじめてでした。だがこだわればこだわるほど労力がかかるのは共感できます。健康サポート専門店農園も循環農法を取り入れています。

それは、箕面ビールさんに役目を終えたビールを分けて頂いて、そこに米ぬかとEM菌を入れて、畑の土手及び畑に道路を作り、畑のはしで発酵場を作り発酵させています。除草剤もまかないので、土手には雑草が生えてくるのですが、そのうえで発酵させているので草刈の手間はすくなくりますが、それでも種の生命力は強いので畑のありとあらゆるところに雑草ははえます。

もちろん雑草以外の野菜の種の生命力もすごいです。すきあらばしっかりと芽がでてきます。ソラマメの育てていたマルチの穴から、去年育てていたツルムラサキが育っていたりします。

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種の採取がおそいとソラマメの種が発芽。

 

私たちがいう循環農法とは、廃棄物として捨てられるものを再利用して、動物性肥料の鶏糞を減らし、可能な限り再利用出来るものを使うという点です。もちろん雑草も刈ってそのままで、土と混ぜます。

鶏糞だけをまく有機農法では、一畝10~20メートルぐらいの畝に鶏糞をまくと、30分以内ですむと思います。だが、循環農法だと回収しに行く時間、発酵させる時間、それを1輪車にのせて畝にまく時間まで考えると通常の何倍もの労力がかかります。

何のためにするかは、身内が食べても安心で体が喜ぶ野菜を食べてもらいたいと思っているからです。私は無農薬野菜作りで5年目です。ようやくお客様にもおいしいとコメントを頂けるようになりました。

yasai13.07.01

玉ねぎに関しましては、甘いとみなさんに言っていただけます。水にさらしたりする必要もなく子供も食べてくれまし、大好評です。

人の努力を知れば自分の努力のたりなさも感じたり、磨きたくもなりますし、まだまだやれることはあると思える事もあるので、探究心だけはどのような事でも決してわすれたくないと思いました。